Rubyのインストール
まずはRuby本体が必須ですので、Ruby本体をインストールします。
※ インストーラーを使ってレジストリや環境変数を変更したくないという方は、 後述の「簡単な実行環境準備方法」がお勧めです(ただ、7zipの解凍ができる環境が必要ですが)。
インストーラーを使って導入したいという方は、まずRubyInstallerなどから、 ビルド済みバイナリを入手するのが良いでしょう。
Ruby合宿2022では、Ruby 3.X系の最新バージョンである「3.1.2」を使用します。
アーキテクチャは32bit/64bitどちらでも構いませんが、今回は32bit版を使用したいと思います。
インストーラーを使ってインストールしても問題ありませんし、7zip版でインストーラーを使わずに導入しても問題ありません。
最終的に、コマンドプロンプトから「ruby -v」と打ち込んで、
ruby 3.1.2p20 (2022-04-12 revision 4491bb740a) [i386-mingw32]
のように表示できれば問題ありません。
RubyGemsでMittsuをインストール
Ruby標準のパッケージ管理ツール「RubyGems」で、MittsuのライブラリをRuby実行環境にインストールします。
> gem install mittsu
これだけでは、OpenGLでの描画を担ってくれるdllが入らないので、 こちらから、 GLFWのWindows用バイナリをダウンロードしましょう。
この時、インストールされたRubyのアーキテクチャと同じアーキテクチャのものを選ぶ 必要がありますので、今回の場合は「32-bit Windows binaries」を選択します。
そして、得られたアーカイブを展開し、導入済みのRubyのビルド環境に応じた「glfw3.dll」を探します。
今回は、「ruby -v」の結果から32bitのMinGW版Rubyとなりますので、「lib-mingw」 ディレクトリにある「glfw3.dll」が対象となります。
この「glfw3.dll」をパスの通ったディレクトリに配置すれば、導入完了です。
配置先はパスが通ってさえいればどこでも構いませんが、Rubyのbinディレクトリに入れてしまうのが 分かりやすいのではないかと思います。
環境変数「MITTSU_LIBGLFW_FILE」の設定
mittsuでは、環境変数「MITTSU_LIBGLFW_FILE」によって「glfw3.dll」の位置を認識します。
※ この環境変数名は将来的に変更されるかもしれません。
ユーザー環境変数/システム環境変数のどちらでも構いませんので、上記環境変数を登録しておいてください。
値は、先ほど「glfw3.dll」を配置した先の絶対パスになります。
例えば、「C:¥ruby\bin」に同dllを配置したのであれば、
MITTSU_LIBGLFW_FILE=C:\ruby\bin\glfw3.dll
となります。
簡単な実行環境準備方法
前述のRubyInstallerのサイトでは、Ruby実行環境一式を7zipによるアーカイブ版としても公開しています。
このアーカイブ版Rubyを使うと、インストーラーや環境変数の設定等無しに、 今回の実行環境を1つのディレクトリ内で完結するように作ることもできます。
※ 当然ながら、大前提として7zipが事前にインストールされていなければなりませんが。
具体的には、まず任意のドライブの任意のパスに、好きな名前の空ディレクトリを作ります。
例えば、「D:\xxx\yyy\rubycamp」というディレクトリを作ったとしましょう。
この「rubycamp」ディレクトリが、実行環境一式になります。
環境が不要になったら、このディレクトリを丸ごと削除すれば、跡形もなくWindowsから消し去ることが可能です。
では、具体的な中身を作ります。
まず、こちらから7zip版Rubyをダウンロードします。
今回は「Other Useful Downloads」の「7-ZIP ARCHIVES」から、「Ruby 3.1.2-1 (x86) 」をダウンロードしましょう。
そして、ダウンロードした7zip形式(.7z)のアーカイブを展開し、その内容全てが先ほどの「rubycamp」ディレクトリ直下の「ruby」というディレクトリ下に収まるように配置してください。
具体的には以下のようになります。
D:\xxx\yyy
├─ rubycamp
│ ├─ ruby
│ │ ├─ bin
│ │ ├─ include
│ │ ├─ lib
…
ついでに、作成したソースコードをまとめておく「src」フォルダも「rubycamp」直下に作っておくと便利です。
D:\xxx\yyy
├─ rubycamp
│ ├─ ruby
│ │ ├─ bin
│ │ ├─ include
│ │ ├─ lib
…
├─ src
ここまで出来たら、後は「rubycamp」ディレクトリ直下に「cmd.bat」 (ファイル名部分は任意に変更しても問題ありません)というテキストファイルを作成します。
同テキストファイルをメモ帳等のエディタで開き、以下の内容を書き込んで保存します。
@echo off
set MITTSU_LIBGLFW_FILE=%~dp0ruby\bin\glfw3.dll
set PATH=%~dp0ruby\bin;%PATH%
cd %~dp0src
%COMSPEC%
この後は、作成した「cmd.bat」をエクスプローラーからダブルクリックすれば、 Ruby実行環境が整ったコマンドプロンプトが開きますので、後は上述の「RubyGemsでのインストール」から 作業を行ってMittsuのインストールとGLFWの導入を行ってください。 環境変数「MITTSU_LIBGLFW_FILE」の設定は、上記cmd.batに既に入っているので実施不要です。